野鳥の保護

-御蔵島の生態系の保全活動-

オオミズナギドリとの出会い

オオミズナドリ私が初めてオオミズナギドリを見たのは、2011年秋に茨城県獣医師会の傷病野生鳥獣救護病院に指定された年のことでした。 石岡市行里川の民家の庭に落鳥していた若鳥が運び込まれてきました。伊豆諸島付近で繁殖しているはずの鳥が内陸で保護されたのが不思議でした。そのオオミズナギドリは胸筋が薄く削痩して動かない状態でしたが、外傷もなく保温すると活発になり次の日には鳥獣センターに送ることができました。

 

御蔵島のノネコの里親になる

それから3年後の2014年秋に日本女性獣医師の会の役員の幅田慶子先生から御蔵島のオオミズナギドリがノネコによって相当数捕食され減少していることを聞きました。 幅田先生は東京獣医師会で小笠原のノネコ対策を行ってこられたので、御蔵島の窮状を救うべく山階鳥類研の岡奈理子先生と活動を始めるところでした。 こうして2月に御蔵島村役場、山階鳥類研究所、東京都獣医師会が合同でノネコ里親プロジェクトが始まりノネコ13頭が島から本土に渡って来ました。 私はそのうちの1頭の里親になりミクと名付けました。生後7ヶ月くらいの雌ネコです。 この野生に近い猫がはたして、室内猫として平穏に生活できるか心配でしたが、今では先住猫の誰よりも1番人懐っこい猫となり、1歳過ぎの孫とも大の仲良しになりました。

 

御蔵島オオミズナギドリ・ノネコ被害視察団

2016年10月の連休には御蔵島のオオミズナギドリ・ノネコ被害視察団と称して岡先生、幅田先生他のメンバー9名で御蔵島に行って来ました。御蔵島はイルカウォッチングが有名ですが内陸地はいくつもの自然観察のエコツアーコースがあって深い原生林に覆われており、スダジイの巨樹がみられます。

オオミズナギドリはこの森の地面に1mくらいの横穴の巣を堀り3月から11月くらいの期間、繁殖期を過ごしますがノネコはこの間、巣穴の入り口で待ち伏せしたりして親鳥やヒナを捕獲します。 オオミズナギドリの数は1970年代には175~350万羽が繁殖していたのが2012年には80万羽を切ったと報告されています。

岡先生によると島内のノネコは約500頭いるとみられ、試算では年2万羽のオオミズナギドリを捕食していると考えられるそうです。島内のエコツアーコースを辿るとノネコに捕食されたオオミズナギドリの死骸を何羽も見つけました。 この様に御蔵島の生態系の保全にはノネコの対策が不可欠となっています。

 

 

~当院では傷病野生鳥獣救護事業を行っております~